人が目標(成功、幸福)に向かって行こうとしている時、その目標を達成するために必要な方法や物が目の前に提示されているとしたら、迷わずそれを行えば良いわけで、誰もが各々の夢を実現できるでしょう。
しかしほとんどの人は目の前にその答えがあっても、それを認識できていない場合が多いのです。
つまりゴール達成の鍵をスコトーマしているのです。
(スコトーマ: その人の情報の優先順位の付け方によって生まれる脳の認識の盲点)
人間は必要な情報だけを認識し、そうでない情報は遮断している
人間の脳には情報を選ぶフィルターがあります。
人間の脳はどのようにして必要な情報を認識し、必要でない情報を排除しているか説明します。
私たちは身の回りの情報を全て認識していると思いがちですが、実は多くの情報は脳を効率的に動かすために遮断されています。
目の前に見えているもの、起こっている事実全てを認識しようとすれば、いかに高性能な脳であっても、処理しきれなくなって、パニックを起こしてしまいます。
そんな中、どの情報を認識し意識するかを決めるRASというものがあります。
RASとはReticular Activating Systemの頭文字をとった略語です。日本語では「脳幹網様体賦活系」とか「網様体賦活系」とか言われます。
大脳、小脳、延髄などのような脳の特定の部位のことではなく脳幹(脊髄に近い部位)にネットワーク的に広がった領域のようなことです。
RASの機能は、大量の情報が入って来た時、「これは自分にとって不要な情報だ」と判断した場合に、その情報を遮断することです。
脳の機能はとても優秀です。RAS(網様体賦活系)で無意識のレベルで情報を判別し、不要な情報を遮断しています。
わかりやすいRASの例
混んでいる電車の中で、友人とある程度の距離を取って話をしているところを想像して下さい。
そんな中、真後ろで知らない人たちが話をしているとします。そんな時でもあなたは友人の話声がよく聞こえるはずです。
しかし物理的に考えたら、より近い真後ろの人の声の方が鮮明に聞こえるはずです。
友人の声が優先的に聞こえる理由はRASがあなたの友人の声は優先順位が高いと判断し、真後ろの人の声は優先順位が低いと判断し遮断したからです。
前記事の混雑する立食パーティでの会話の例も同様です。
こんな例もあります。
誰かに「少し太ったね」などと言われた人は、ダイエットをしなければと思い始めます。
するとRASがダイエットに関する情報の優先順位を上げます。
その結果、それまで全く興味がなかったテレビのダイエット番組が気になったり、ダイエット器具のCMに関心が高まったりします。
ゴール達成にはRASを意識した高い目標設定が必要
前述の例のように情報の取捨選択は絶えることなくRASによって行われています。
この原理を理解して、RASを自分のゴール達成に利用することが成功への確かな道のりなのです。
私たちの世界は自分の脳が重要だと判断した情報だけで成り立っています。
そしてその重要であるという判断基準は、昨日までの自分が重要だと判断していたものなのです。
なので、もし大きく成功しようとするなら、過去にとらわれない新しい優先順位を自分の中で作り、RASがその新しい判断基準で情報処理をするように仕向けなければいけません。
そのために必要なことは、RASを意識した高い目標設定であるといえます。
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